特定技能「介護」の外国人の受け入れ施設と本体要件・介護要件まとめ

作成日:2024年10月21日

合同会社オルゴニール代表社員・武藤拓矢

武藤拓矢

特定技能・技能実習スペシャリスト

外国人技能実習制度の管理団体で5年勤務し、その後2019年に合同会社オルゴニール(Orgonir)を立ち上げる。
延べ700名を送り出した実務経験から、制度の理解と外国人人材の現場オペレーションに強みを持つ。
製造業・工場と建設業については業界トップクラスの経験の持ち主。

超高齢化社会の日本で、最も大きな社会問題が介護人材の確保です。どの介護施設も、人材の確保から人材の定着に日々頭を悩まされています。

今回は、そのような人材不足でお悩みの企業様に、特定技能「介護」の受け入れ可能な施設について解説していきます。

特定技能介護の受け入れが可能な施設

画像出典:技能実習「介護」における固有要件について

特定技能「介護」で受け入れられる施設は、大きく6つの種類に分類されます。。

  1. 児童福祉法関係の施設・事業
  2. 障害者総合支援法関係の施設・事業
  3. 老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業
  4. 生活保護法関連の施設
  5. その他の社会福祉施設等
  6. 病院又は診療所

それぞれ具体的に解説していきます。

施設①児童福祉法関係の施設・事業

児童福祉法に基づき、子どもの健全な成長や福祉支援を行う施設は、特定技能介護の受け入れが可能です。

主に、発達支援施設や療育施設などが含まれます。

施設②障害者総合支援法関係の施設・事業

障害者総合支援法に基づく施設は、日常生活のサポートを行う場であり、介護人材の必要性が高まっています。

主に、日常生活や就労支援を行う施設が受け入れ対象です。

施設③老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業

高齢者施設やデイサービスなどがこのカテゴリーに含まれ、主に身体介護を担う特定技能介護人材が活躍する場です。

施設④生活保護法関係の施設

生活保護法に関連する施設では、生活困難な方々の支援を行っており、特定技能介護の受け入れが可能です。

施設⑤その他の社会福祉施設等

地域包括支援センターや福祉センターなど、地域社会に密着した福祉施設でも特定技能介護の人材が求められています。

施設⑥病院又は診療所

医療提供を行う病院や診療所は、特定技能介護の受け入れ対象となります。

特定技能「介護」の受け入れ対象外の施設

上記6つの分類で受け入れが可能なのですが、現行の制度では受け入れ対象外となっている施設も複数あります。

大別すると3つのカテゴリーで、特定技能「介護」の受け入れ対象外となっています。

対象外①訪問系介護サービス

現行の制度では、施設系介護サービスは解禁されている一方で、訪問系介護サービスは対象外となっています。

理由は、訪問系介護サービスは雇用管理が複雑であり、技能実習制の人権擁護、適切な在留管理の観点によるものです。

しかし、訪問系介護サービスでは未曾有の人材不足が叫ばれており、有効求人倍率は約15倍と、異常自体に陥っております。

そのため、厚生労働省は2024年6月19日の有識者会議で、2025年度の在留資格「特定技能」の解禁実施を目指していると発表しています。

参照:第7回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会 資料

対象外②住宅型有料老人ホーム

現行の制度では、住宅型有料老人ホームは特定技能「介護」の受け入れ対象外となっています。これには、住宅型有料老人ホームが主に自立した高齢者向けの生活支援を提供している点が挙げられます。

具体的な介護サービスは外部の事業者によって提供されることが一般的であるため、特定技能の枠組みでの労働力導入が難しい状況です。

しかしながら、急速な高齢化に伴い、今後の規制緩和の可能性も期待されています。

対象外③サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅もまた、特定技能「介護」の受け入れ対象外となっています。

この施設は、生活支援や安全確認を主なサービスとしていますが、24時間介護を必要とする方々への対応が少ないため、特定技能による労働力導入の必要性が低いと見なされています。

しかし、介護のニーズが高まる中、将来的な法改正や規制緩和により、受け入れ対象施設に含まれる可能性があります。

特定技能「介護」の事業所・企業側の要件

続いて、事業所・企業側にも特定技能「介護」を受け入れるための要件が存在します。

「技能実習制度:本体要件」と「技能実習制度:介護要件」に分けて解説します。

技能実習制度:本体要件

介護職種問わず、技能実習制度を活用するために必要な事業所・企業としての要件となります。

4つの要件があり、全て満たす必要があります。

  1. 技能実習を行う事業所には、実習を指導・監督する責任者が必要であり、その責任者は、過去3年以内に法務大臣と厚生労働大臣が定めた講習を受けている人から選ばれる必要があります。
  2. 実習の指導者は、実習する技能に5年以上の経験を持つ社員や役員から1名以上選ぶ必要があります。
  3. 実習生の生活をサポートする担当者も、事業所内の社員や役員から1名以上選ばなければなりません。
  4. 受け入れる技能実習生の人数は、上限を超えてはいけません。

技能実習制度:介護要件

特定技能の中でも介護職種のみに必要な要件です。

6つの要件があり、全て満たす必要があります。

  1. 技能実習指導員のうち1名以上は、介護福祉士や看護師など、同等以上の知識・技術を持っている必要があります。
  2. 実習生5人に対して1名以上の技能実習指導員を配置します。
  3. 実習を行う事業所は、介護などの業務を行っており、開設から3年以上経過していることが必要です。
  4. 実習生が夜勤や緊急対応をする場合は、他の介護職員と一緒に業務を行い、安全対策を講じる必要があります。夜勤は2年目以降の実習生に限定されます。
  5. 実習生の数は、事業所の一定基準を超えないようにします。
  6. 入国後の講習では、日本語(240時間、N3レベル取得者は80時間)と介護導入講習(42時間)を受ける必要があります。講師にも一定の条件が求められます。

特定技能介護の委託におすすめの支援団体3選

最後に介護領域においておすすめの特定技能支援団体を3社ご紹介します。

いずれの登録支援団体も、介護領域について強みを持つ企業です。

支援団体①合同会社オルゴニール

会社名 合同会社オルゴニール
認定番号 19登-0002784
住所 〒160-0023
東京都新宿区西新宿3丁目3番13号西新宿水間ビル2F
実績 724名(2024年10月時点)
強み 建設業・製造業・工場・介護の業界について経験豊富で、技能実習制度から外国人人材の支援をしていることから、2年以内の離職率が3%と驚異の人材定着率を誇ります。
URL https://orgonir.com/

支援団体②株式会社ONODERA USER RUN

株式会社ONODERA USER RUNの特徴は、4ヶ国に教育機関を備えている点です。

特定技能支援のみならず教育機関まで兼ね備えている特定技能の会社は珍しく、唯一の強みといっても過言ではありません。

実績も豊富なため、「多少高くても実績豊富な支援団体を選びたい」という企業にはおすすめの登録支援団体です。

会社名 株式会社ONODERA USER RUN
認定番号 19登-002131
住所 〒100-0004
東京都千代田区大手町1-1-3 大手センタービル5階
実績 3,821名超え
強み 海外に教育機関を持ち、教育から特定技能制度の人材紹介まで一気通貫体制を整えています。延べ就労者数も3,821名を超え、実績も豊富です。
URL https://onodera-user-run.co.jp/

支援団体③ポールトゥウィン株式会社

東証プライム上場企業のPTWホールディングス傘下の特定技能支援団体である「stepjob」は、企業の財務体制は盤石です。

特定技能のみならず、人材紹介・派遣事業を主軸として活動しており、特に医療・介護人材領域に強みを持ちます。

会社名 ポールトゥウィン株式会社
認定番号 22登ー006911
住所 〒101-0022
東京都千代田区神田練塀町3AKSビル
実績 不明
強み 親会社が東証プライム上場企業のため、問題発生時の対応は安心です。
URL https://onodera-user-run.co.jp/

まとめ

  • 受け入れが可能な施設に該当するか確認する
  • 特定技能介護を活用するための事業所・企業側の条件として「技能実習制度:本体要件」と「技能実習制度:介護要件」の基準をクリアする必要がある