特定技能「林業」の可能業務・基本情報・外国人要件・採用条件

高齢化と人手不足が深刻な林業分野では、森林の保全・資源活用を担う若年層の担い手確保が急務となっています。特定技能「林業」は、伐採や下刈りなど林業特有の業務に対応できる外国人労働者を、合法的に雇用できる制度です。制度により、即戦力となる人材を最大5年間雇用することが可能です。

本記事では、林業事業者が制度を初めて導入する際に知っておきたい、対象業務、受け入れ条件、必要な試験、現場運用のポイントについて詳しく解説します。

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広報担当

元登録支援機関での実務経験をもとに、外国人支援や企業対応の現場で見聞きした内容を踏まえ、登録支援機関に関する情報をお伝えしています。制度の特徴や支援内容の傾向、選定時の参考となる視点などを、できる限りわかりやすく解説しています。

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特定技能「林業」で従事できる業務とは?

特定技能1号(林業分野)では、森林整備や伐木など、体力と技能を必要とする現場業務に幅広く従事できます。

主たる業務

  • 伐木作業(チェーンソー使用による伐倒・玉切り)
  • 集材・搬出作業(架線集材・車両運搬)
  • 下刈り、除伐、間伐、枝打ちなどの保育作業
  • 植栽・苗木の育成管理

関連業務

  • 刃物・チェーンソーの手入れ・点検
  • 山道・作業道の整備補助
  • ヘルメットや安全装備の管理、作業準備・片付け

いずれも、安全性や森林保全の観点から適切な指導・支援体制が必要です。

特定技能外国人を受け入れる林業事業者の要件

特定技能人材を受け入れるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 労働基準法・労働安全衛生法・林業労働災害防止基準などの遵守
  • 直接雇用であること(派遣契約は不可)
  • 林業分野特定技能協議会への加入
  • 外国人に対する生活・就労支援体制の整備(自社対応または登録支援機関との契約)

特に林業は危険を伴う作業が多いため、安全教育・労災対応・通訳対応など、現場に即した支援体制が重視されます。

外国人が特定技能「林業」で働くための条件

外国人が林業分野で特定技能1号を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 林業技能測定試験(日本国内で実施)に合格
  • 日本語能力試験N4以上、またはJFT-Basic(日本語基礎テスト)に合格

また、技能実習2号(林業分野)を良好に修了している場合は、試験免除で特定技能への移行が可能です。

雇用後の実務対応と注意点

在留期間と更新

特定技能1号では、在留期間は最長5年間。1年ごとの更新が一般的で、継続雇用が可能です。

安全管理と実技指導

チェーンソー使用や斜面作業など、命に関わるリスクのある現場では、特定技能人材に対しても十分な安全教育・実地指導が必須です。作業前のKY(危険予知)活動なども外国人が理解できる形で実施する必要があります。

山間部での生活支援

山村地域での勤務となる場合、通勤手段、住居確保、買い物・医療支援など、地域生活面での支援が求められます。自治体や地元団体と連携した体制づくりが効果的です。

特定技能で森林の未来を支える

特定技能「林業」は、国内では確保が難しい若年層の労働力を安定的に確保し、持続可能な森林経営を実現するための制度です。技能と意欲を兼ね備えた外国人材の受け入れにより、安全かつ効率的な現場体制の構築が可能になります。

今後の林業発展のためにも、制度を活用し、多様な人材とともに山を守る体制づくりを進めましょう。