特定技能「造船・舶用工業」の可能業務・基本情報・外国人要件・採用条件

熟練工の高齢化が進み、技能継承や人手不足が深刻化している造船・舶用工業分野において、特定技能制度が注目されています。特定技能「造船・舶用工業」では、溶接、塗装、仕上げ、配管などの専門技能を有する外国人を最長5年間雇用することが可能です。

この記事では、特定技能制度を初めて導入する企業向けに、対象業務、受け入れ条件、試験概要、現場運用のポイントをわかりやすく解説します。

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登録支援機関くらべナビ

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広報担当

元登録支援機関での実務経験をもとに、外国人支援や企業対応の現場で見聞きした内容を踏まえ、登録支援機関に関する情報をお伝えしています。制度の特徴や支援内容の傾向、選定時の参考となる視点などを、できる限りわかりやすく解説しています。

登録支援機関くらべナビとは

特定技能「造船・舶用工業」で従事できる業務区分

本分野は高度な専門技術が必要とされるため、以下の作業区分での実務が対象となります。

主たる作業(対象5区分)

  • 溶接作業(半自動溶接、アーク溶接 など)
  • 仕上げ作業(グラインダー仕上げ、面取り 等)
  • 塗装作業(エアレススプレー、ブラスト)
  • 鉄工作業(鋼板加工、曲げ、切断)
  • 配管作業(舶用配管、エンジン配管など)

※単純作業ではなく、図面の読解や品質管理を伴う技能が求められます。

関連作業

  • 工具や溶接機器の準備・整備
  • 作業現場の安全確保・整理整頓
  • 部材の運搬・在庫補助・検査補助

受け入れ企業が満たすべき条件

造船・舶用工業で外国人を特定技能で受け入れるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 製造業として労働関係法令を遵守していること
  • 技能実習との賃金・待遇の均衡を確保していること
  • 造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入
  • 外国人の生活・就労支援体制を整備(自社または登録支援機関)

安全衛生上の管理体制や教育体制も重視されます。溶接・塗装などの危険作業では、技能面だけでなく意思疎通のスムーズさが必須です。

外国人材に求められる資格・試験

外国人が特定技能「造船・舶用工業」で働くためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 造船・舶用工業技能測定試験(作業区分別)に合格
  • 日本語能力試験N4以上 または JFT-Basic(日本語基礎テスト)に合格

また、技能実習2号を良好に修了した者は、同じ作業区分であれば試験免除により移行可能です。

実務での運用ポイント

在留期間と更新

特定技能1号の在留期間は最長5年。契約は1年単位での更新が基本となります。

安全教育と多言語対応

溶接や高所作業などのリスクに備え、やさしい日本語・母国語での安全教育資料、定期的な指導、指差呼称の徹底などが求められます。

技能レベルの可視化

図面の読解、工具使用、品質基準の理解といった現場スキルを見える化することで、社内での評価・定着にもつながります。

外国人技能者とともに、ものづくりの未来を支える

特定技能「造船・舶用工業」は、熟練工不足という構造的課題に対応し、優れた外国人技能者を受け入れる制度です。即戦力人材の確保だけでなく、技能継承や生産力の強化にも貢献します。

制度を正しく理解し、現場に合わせた支援体制を構築することで、外国人材が安心して働き、企業とともに成長できる環境が実現します。