特定技能「建設業」の可能業務・基本情報・外国人要件・採用条件

慢性的な人手不足に悩む建設業界において、外国人材の力を取り入れる動きが広がっています。特定技能「建設」は、現場での技能を有する外国人を最長5年間にわたって受け入れることができる制度で、即戦力として幅広い職種に従事可能です。

本記事では、建設業で初めて特定技能制度を導入する企業向けに、対象業務・受け入れ条件・試験内容・現場運用のポイントを専門的に解説します。

特定技能「建設」で従事できる対象職種

特定技能1号（建設分野）では、建設キャリアアップシステム（CCUS）に基づき、以下の11職種・18作業に限って就労が認められています。

対応職種（例）

• 型枠施工
• 左官
• コンクリート圧送
• 鉄筋施工
• とび（足場の組立・解体）
• 建設機械施工（掘削・整地など）
• 内装仕上げ（ボード貼り・クロス貼り等）
• 電気通信・配管・築炉・防水・屋根施工など

単純作業ではなく、専門的な技能を要する作業に限られており、業務内容に合致しているかが重要です。

受け入れ企業の要件

建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、通常の雇用要件に加えて、業界固有の条件を満たす必要があります。

• 建設業許可を取得していること
• 建設キャリアアップシステム（CCUS）への登録
• 建設分野特定技能協議会への加入
• 特定技能受入計画の策定・届出
• 生活支援・就労支援体制の構築（自社または登録支援機関）

また、受け入れ上限や賃金水準など、技能実習からの移行者との均衡も求められます。

外国人材が特定技能「建設」で働くための要件

外国人が建設業で特定技能1号を取得するには、以下の試験に合格する必要があります。

• 建設分野特定技能評価試験（職種別に実施）
• 日本語能力試験N4以上 または JFT-Basic（日本語基礎テスト）

技能実習2号を良好に修了した場合、対応する作業であれば試験免除で移行可能です。

実務上のポイントと注意点

在留期間と雇用形態

特定技能1号は最長5年間、原則フルタイム・直接雇用です（派遣不可）。契約は原則1年更新となります。

安全管理と通訳支援

建設現場では、安全教育や作業指示を正確に伝えるため、日本語の理解度に応じた研修体制と通訳者の配置が重要です。

地域・住環境でのサポート

建設現場は地域・地方にまたがることが多く、住居の確保・通勤手段・生活サポートも受け入れ企業の重要な役割となります。

特定技能の活用で現場の安定運営を実現

特定技能「建設」は、即戦力人材を合法的に確保できる制度として、国土交通省や業界団体が制度設計をサポートしている制度です。制度を活用することで、技能実習制度だけではカバーしきれなかった人材ニーズにも対応できます。

人手不足が続く今こそ、特定技能を活用し、建設現場の生産性と安全性を両立させる持続可能な人材戦略を構築しましょう。

建設業の支援実績豊富な登録支援機関3選

最後に建設向けの登録支援機関を3社ご紹介します。

建設業向けの特定技能の実績豊富な登録支援機関おすすめ7選【2025年最新版】